2025.04.18
ドローン包括申請とは?映像制作者が知っておきたい4つの条件と注意点【2025年対応】

こんにちは!AME TSUCHIの大沢です。
今日は、ドローン操縦者にとってかなり大事な「包括申請」について、AME TSUCHIならではの視点でお話ししてみたいと思います。
「ドローンの飛行許可って、毎回出すの大変じゃない?」
そんな声、よく聞きます。私もかつて、撮影前日に申請書類とにらめっこしていた頃がありました…。
皆さんは「包括申請」ってご存知でしょうか?
ドローン飛行の中でも、一定の条件を満たせば、年間を通じて全国で飛ばせる仕組みがあるんです。
私たちも業務で欠かせないため、しっかり取得して運用しています。
「包括申請」とは?ざっくり言うと、年間パスポートです

まず最初にお伝えしておきたいのは、包括申請は魔法の鍵ではないということ。
でも、特定の条件下での飛行に関しては、日本全国どこでも1年間飛ばせるようになるという、かなり心強い「年間パスポート」なのです。
AME TSUCHIでは、以下のような特定飛行に備えて包括申請を取得しています。
ただし、申請内容や飛行マニュアルによっては、すべての項目に対応していない場合もあるため、飛行前には必ず内容の確認が必要です。
ドローン包括申請で押さえるべき4つの条件
- 人口集中地区(DID)での飛行
- 30m未満の近接飛行
- 夜間飛行
- 目視外飛行(=ドローンを直接見ずにモニターなどで操縦する)
映像制作を仕事にしている私にとって、「目視外飛行」は避けて通れないテーマです。
例えばAME TSUCHIで撮影した青木ヶ原樹海のような、目視が届かない撮影環境では、「目視外飛行」の許可が前提になります。(目視が届かない場所をどうカバーして安全を確保するか、方法なども大変なのです…)
私たちも、包括申請によってこの条件を満たしつつ、現場ごとの安全確認を徹底しています。
つまり、「包括申請を持っているからこそ飛ばせる」というよりも、包括申請があって初めて、スタートラインに立てるといった感覚です。
とはいえ、「万能チケット」ではありません
ここでちょっとした落とし穴。
包括申請があればどこでも飛ばせる!と思われがちですが、実は飛ばせない場所や状況もいろいろあります。
例えば…
包括申請を過信しないための注意
- 空港やヘリポート周辺
- イベント上空(お祭りやフェスなど)
- 地上・水面から150m以上の空域
- 夜間かつ目視外飛行の“合わせ技”
これらは個別申請が必要になります。
たとえるなら、ディズニーパスポートを持っていても、「シンデレラ城の屋上で焚き火したい」と言ったら、そりゃ別途許可が要りますよね?という話です。
DIPSでの申請は…慣れればカンタン、でも“丁寧さ”が命
申請には国土交通省のオンラインシステム「DIPS」を使います。
必要なのは、機体情報、操縦者情報、飛行マニュアル、安全対策などなど。
最近は申請フローもかなり改善されていて、2025年のアップデートではなんと機体写真の添付が不要に!
とはいえ、「じゃあなんでも通るのか」というとそうではなくて、ちゃんと基準を満たしているかどうかは申請者の責任です。
つまり、
申請書類は“自分自身への誓約書”でもあるんです。
「包括申請あるから大丈夫でしょ?」の落とし穴
実は、クライアント側が勘違いしていることも多いんです。
「包括申請あります!」と言うと、「じゃあどこでも飛ばせるんですね」と言われることも。
でも、実際には飛行マニュアルの遵守や、飛行計画通報、インシデント報告など、いろんな“やることリスト”が存在します。
これはたとえるなら、車の免許を持っていても「どこでもスピード出していいわけじゃない」っていうのと同じ。
だから私たちは、自分のためにも、関係者のためにも、そして撮影地の自然や地域のためにも、飛行ルールをちゃんと守ることが大切だと考えています。
なお、こうした包括申請をはじめとしたドローンの運用支援や、許可申請をふまえた映像設計まで含めたご相談は、AME TSUCHIの「クリエイティブサポートパック」でも承っています。
ドローン撮影だけでなく、企画・許可・編集・運用までワンストップで支援していますので、現場の不安を減らし、創造に集中できる環境を整えたい方はぜひご活用ください。
今回の結論です
包括申請は、ドローン撮影の現場において、時間と手間をグッと減らしてくれる強力なツール。
でも、それを使いこなすには「どこまでOKで、どこからNGか」をしっかり把握し、丁寧に対応していく姿勢が不可欠です。
AME TSUCHIでは、撮影技術だけでなく、法令遵守の意識と申請ノウハウも含めて、信頼できるクリエイティブパートナーでありたいと考えています。
ということで、ドローン飛行の「年間パスポート」こと包括申請。
これから撮影を考えている方、そして発注を検討されている企業や団体の方にも、知っておいて損はない情報です。
AME TSUCHIへのお問い合わせはこちらから
山梨市周辺では、桃畑がやわらかく色づく季節です

山梨市では桃畑がやわらかくくちづく季節。
外で深呼吸すると、花の香りとほんのり甘い空気が混じり合い、制作にも心地よい追い風です。
それでは、素敵なクリエイティブ時間をお過ごしください!

Drone Movie Contest 2024でグランプリと審査員特別賞をW受賞。東京カメラ部動画クリエイター2023 10選に選出。国家資格・一等無人航空機操縦士、無人航空従事者1級を保持。デジタルハリウッド「空撮クリエイターコース」特別講師も。ディレクター、デザイナー、フォト・ビデオ・ドローングラファーとして活動。”自分自身が感動した”人の魅力を多角的な視点から追求・発信することをモチベーションに、クリエイティブに向き合う。(Instagram)