2025.07.03
ドローン限定解除の試験は「風との戦い」?──ATTIモードで鍛える“もしも”への備え
この記事では、国家資格「一等無人航空機操縦士」の限定解除(目視外・夜間飛行)に合格するまでの過程と、その中で求められるATTIモードでの手動飛行技術について解説します。GPSもセンサーも効かない中、風と向き合いながら鍛える操縦力──その練習は決して簡単ではありませんが、「できなかったこと」が「できる」に変わる瞬間の達成感は、ドローン操縦者としての自信にもつながります。実務での信頼性を高めたい方や、国家資格取得を目指す方にとって、有益なヒントや視点があるかもしれません。ぜひご覧ください。
こんにちは!AME TSUCHIの大沢です。
今回は、国家資格「無人航空機操縦士」の中でも難関とされる「一等無人航空機操縦士の限定解除」試験について、実際の体験をもとにお話しします。
そしてその中で求められる「ATTIモード」での操縦についても、初めての方にもわかりやすくご紹介します。
なぜ、ドローンの試験に「天気運」が影響するのか?

今回私が受けたのは、「目視外飛行」と「夜間飛行」の限定解除。
この2つを取得することで、より柔軟な飛行計画や業務対応が可能になります。
ところが……直前の講習日は、風速8m/sを超える強風予報。
試験自体は風速5m/sを超えると中止になりますが、講習は実施されます。

この日の練習は、まさに「飛ばす練習」というより「飛ばされないための練習」。
機体を安定させるのに神経を集中し続ける、非常に緊張感の高い時間でした。
「ATTIモード」とは?──GPSに頼らない手動飛行の世界

一般的にドローンは、GPSを利用して位置を自動で保持します。
ですが、「ATTIモード(エーティーティーアイモード:Attitudeの略)」ではGPSも障害物センサーも効かず、風に流されやすくなります。
この状態では、操縦者が常にスティック操作で機体の姿勢や位置を微調整しなければなりません。
言い換えると、「空中でのバランス感覚」が問われる高度な飛行技術です。
国家資格試験では、このATTIモードでの正確な操縦が求められます。
どんな環境下でも安全に機体を扱えるか──それが試されるのです。
難しさを超えた先に見えるもの

正直なところ、ATTIモードの練習は決して簡単ではありません。
GPSのサポートがない分、自分の感覚や経験だけが頼りです。
私自身も、思うように機体を制御できずに悩んだ時期がありました。
それでも風が吹くなか、何度も繰り返し訓練を重ねるうちに、少しずつ手ごたえを感じられるようになりました。
そして今回、目視外飛行と夜間飛行を合格することができました。
やっとの思いで手にした合格証は、努力の証として大きな達成感をもたらしてくれました。
小さな成功が、大きな安心につながる

ATTIモードでの訓練は、ただの試験対策ではありません。
たとえば山間部や電波状況が不安定な地域での撮影など、GPSが効きにくいシーンでも落ち着いて対応できる“実力”が備わります。
「できなかった」が「できる」に変わるとき、
操縦者としての視野も、自信も、ぐっと広がるのを実感できます。
ドローンと向き合う、その時間こそが財産

資格の取得に向けて、なにより大切なのは「継続して向き合う姿勢」だと感じています。
風の強さに焦りながらも、ひとつひとつ丁寧に操作を積み重ねること。
その過程にこそ、技術や判断力が育まれていきます。
本番で風が吹くか、吹かないか。
そればかりはコントロールできませんが、「どんな天気でも対応できる自分」を育てていくことで、飛行の幅は確実に広がります。
参考:ATTIモードとは?
ATTI(Attitude)モードは、GPSや障害物センサーの補助がない状態での飛行モードを指します。
機体は自動で位置を保持せず、風や慣性で流されてしまいます。
操縦者は、機体の位置・姿勢・移動方向をすべて手動で制御しなければなりません。
このため、ATTIモードでの飛行は「空中での安定感と反応力」が重要になります。
国家資格「一等無人航空機操縦士」ではこのATTIモードでの正確な操縦スキルが必須。
安全な飛行を志すすべてのパイロットにとって、習得しておくべき重要なスキルといえます。
山梨の空も、梅雨に入りましたね。

雨の多いこの季節。
風や湿気に悩まされる日々が続きますが、それでも空の向こうには、きっと晴れ間が待っています。
少しずつでも、前へ。
あなたの空が、自由で安全なものになりますように。
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Drone Movie Contest 2024でグランプリと審査員特別賞をW受賞。東京カメラ部動画クリエイター2023 10選に選出。国家資格・一等無人航空機操縦士、無人航空従事者1級を保持。デジタルハリウッド「空撮クリエイターコース」特別講師も。ディレクター、デザイナー、フォト・ビデオ・ドローングラファーとして活動。”自分自身が感動した”人の魅力を多角的な視点から追求・発信することをモチベーションに、クリエイティブに向き合う。(Instagram)