写真展終了報告: 屋久島の自然を切り取る─「OKUDAKE -The Mountain Where Kami Dwells-」

屋久島の荘厳な自然からインスピレーションを受けた初の写真展「OKUDAKE」は、多くの皆様にご来場いただき大盛況のうちに幕を閉じました。ファインアート紙への印刷やアーティストステートメントなど新しい試みを取り入れ、単なる風景写真を超えた”作家の想い”が凝縮された作品として写真の魅力を発信できたことを手応えとしています。同時に課題も見つかり、次回に向けてさらなる磨きをかけていきます。これからも温かみがあり、作者の想いが伝わるような作品作りを心がけ、皆様の心に寄り添える写真表現を追求してまいります。どうぞ今後のAME TSUCHIの活動にご期待ください。

はじめに

写真展「OKUDAKE -The Mountain Where Kami Dwells-」DM表

「屋久島の荘厳な景色を写真で表現したい」そう願い、先日初めての写真展「OKUDAKE -The Mountain Where Kami Dwells-」を開催しました。

この写真展の狙いは、単に美しい風景写真を展示するだけでなく、私が屋久島の大自然から感じ取った”何か”を皆様に伝えることでした。自然の息吹に寄り添うように、できる限り作品ひとつひとつに私の想いを込めて撮影を重ねてきました。

15年以上前から写真に携わる私ですが、写真家の茂出木秀行氏と出会ってから写真に対する考え方が一変しました。写真は「作家の意思を持って撮るもの」だと教わり、自分なりの写真観を確立するきっかけとなりました。

もちろん技術的な面では未だ力不足を感じていますが、作品を前に立ち止まり「写真じゃないみたい」と感嘆の言葉をかけてくれる方もいらっしゃいました。そうした写真を通して想いが伝わることこそが、私にとっての一番の喜びです。

写真展「OKUDAKE -The Mountain Where Kami Dwells-」DM裏

写真展「OKUDAKE」の概要

屋久島「永田岳」

今回の展示会では、屋久島の世界自然遺産をエリアとする奥岳地域を中心に撮影した作品を展示しました。屋久島の原生林に残る太古の景色に、畏敬の念を持って向き合い撮影を重ねた20点近くの作品を、写真の持つ物理的な質感にもこだわって展示いたしました。

主な撮影機材は、空撮機としてDJIのMavic3、ミラーレスカメラとしてFUJIFILMのGFX、RICOH GR IIIxを使用しました。描写力と解像度の高さで、圧倒的な奥行きと質感の作品を生み出せたことが大きな特徴です。

作品は土地の残る「奥岳信仰」をテーマに、奥岳の自然の息吹を立体的に体感できるよう構成しました。鑑賞の際は併設したアーティストステートメントも参照いただけるよう配慮し、作品への思いを文字で補足する新しい試みに挑戦しています。

さらに作品は高品位なファインアート紙にプリントアウトされた物理的な「モノ」としての写真を提供しています。光沢の写真用紙が一般的な中、このマット調の表面は「写真じゃないみたい」との声も多数いただき、写真そのものの価値と魅力を改めて来場された方に示せたと思います。

来場者の反応

屋久島「黒味岳」を印刷した作品

期間中、多くの方々にご来場いただき、私の作品や試みに対して様々な感想や反響をいただきました。

まず、「写真の質感がすばらしい」「絵画のようだ」といった声が数多く寄せられ、ファインアート紙への印刷が写真作品に新たな魅力と価値を与えられたことを実感しました。一般的な光沢紙とは異なる、滑らかでマットな表面が写真の持つ芸術性を引き立てることができたようです。

また、作品一つひとつにまつわる思いを感じ取っていただける方も少なくありませんでした。アーティストステートメントの効果もあり、単なる風景写真ではなく、「作家の想いが凝縮された作品」として受け止められたことも大変嬉しかったです。

展示作品のほかにもA4サイズにプリントしたフォトブックを置き、日常を心象風景として捉えてまとめたもの、秋田県のなまはげをテーマにしたものなどご覧いただけるようにしました。こちらも大変好評で、特になまはげの雰囲気と手漉き和紙で印刷されたプリント作品には、驚きとお褒めの言葉を多数頂戴することができました。本当にありがとうございます。

開催を終えて

屋久島「永田岳」

今回の写真展を無事終えて、大きな達成感と手応えを感じています。美しい作品を前に「写真を楽しむ」だけでなく、「作家の想いを感じる」という新しい鑑賞の在り方を提案でき、その狙いが一定程度達成できたと自負しています。

一方で課題もいくつか見つかりました。アーティストステートメントの内容や表現が分かりづらかったり、展示の構成で改善の余地があるなど、作品の世界観を深く味わってもらうための工夫が必要だと気づかされました。

また、会期前の告知不足や会場設営の至らない点など、プロモーションや運営面での反省材料も見つかりました。次回に向けては、こうした課題を一つひとつ改善し、より質の高い写真展を開催できるよう精進したいと思います。

そして何より、会場を提供してくれたCASA FRUTTA様、ご来場くださった全ての皆様に心から感謝申し上げます。お陰様で貴重な経験と気づきを得ることができました。この経験を糧に、さらに作品の磨き上げと発信に努め、多くの方に写真の価値と魅力を伝えていきたいと考えています。

まとめ

今回の写真展「OKUDAKE」を通して、屋久島の自然から感じ取った”畏れ”と”命の息吹”を皆様に伝えたかったのです。人智を超えた荘厳な景色の前に立つと、自然の力の偉大さを改めて実感します。そして同時に、その摂理の中で私たち人間も存在していることに、生命の尊さと有り難みを感じずにはいられません

そんな思いを写真とアーティストステートメントの両輪で表現し、ご鑑賞いただいた皆様にも少しでも感じ取っていただけたのではないかと思います。今後もこの想いを貫き、自然の魂に寄り添うような写真表現を追求していきたいと考えています。

同時に、今回の経験から写真の”作品”としての価値と可能性を改めて実感しました。単なる風景写真を超えて、作家の想いが凝縮された芸術作品として写真を発信できれば、新しい写真の魅力を多くの方に伝えられるはずです。

これからも技術を磨き上げながら、写真を通して想いを発信する作家活動を続けていきます。AME TSUCHIの名に恥じぬよう、温かみのある写真作品を一つずつ生み出していく所存です。皆様の心に寄り添い、笑顔を運ぶ作品作りを目指していきますので、どうぞ期待していてください

写真展の魅力を凝縮。 〜ファインアート紙に印刷された作品に込めた想い。

写真展の様子

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