地方の商店街でスマートフォンを使ってショート動画を撮影する事業者のイラスト

地方企業がショート動画で成果を出すために大切な4つのこと

〜 制作の現場で気づいた、テクニックより前に知っておきたい話 〜

こんにちは、山梨県でフリーランスクリエイターをしているAME TSUCHI(あめつち)の大沢です。
ドローン空撮や動画制作を軸に、写真撮影やデザインなど、クリエイティブまわりを幅広くやっています。

「ショート動画って、うちみたいな小さい会社でも意味あるの?」

地方で事業をされている方から、この質問をよくいただきます。

気持ちはすごく分かります。TikTokで踊る? うちの業種で? という戸惑い。でも実際にいろんな企業さんの動画制作に関わる中で感じているのは、地方の中小企業こそ、ショート動画との相性が良いということ。

テクニックの話は後からいくらでもできます。まずはその手前にある「なぜ効くのか」「どう考えればいいのか」を、現場で感じてきたことをベースに整理してみます。

少し長めの記事ですが、お付き合いいただけると嬉しいです。

1. 「検索」と「偶然の出会い」、2つの入口を持てる

Google検索とSNSフィードの2つの経路で地方の店舗が見つけられる仕組みを表したイラスト

ショート動画には、大きく分けて2つの届き方があります。

ひとつはGoogle検索。 たとえば「山梨 工務店」と検索したとき、文字だけのホームページと、サムネイル付きの動画が並んでいたら、どちらに目が行くか。動画だから必ず上位に表示されるわけではないけれど、視覚的に目立ちやすいのは確かです。

もうひとつはSNSのアルゴリズム。 YouTubeショートやInstagramリール、TikTokには「フォロワー以外にも届ける」仕組みがあります。まだあなたの会社を知らない人の画面に、ぽんと表示される可能性がある。

検索は「探している人」に届く。
SNSは「まだ探していない人」に届く。

この両方に接点を持てるのが、ショート動画の面白いところです。

そしてもうひとつ、考えてみてほしいことがあります。

最近は口コミを聞いた後に、SNSで雰囲気を確認する人が増えています。特に若い世代だと、Googleより先にInstagramで検索するのが当たり前になりつつある。

そのとき、何も出てこなかったらどうなるか。

別に悪い印象を持たれるわけじゃない。でも、「判断材料がひとつ足りない」状態にはなる。せっかく興味を持ってくれた人の背中を、最後のひと押しで押せない。これはちょっともったいない。

派手なPR動画を作る必要はないんです。ただ、「安心材料」をひとつ置いておく。それだけでも、状況は変わってきます。

2. 動画は「積み上がる資産」になる

再生ボタン付きの動画ブロックが積み上がり、頂上から芽が伸びている資産としての動画を表すイラスト

広告は、出稿をやめれば効果がゼロになります。でも動画はちょっと違う。

検索にもSNSにも残るし、何ヶ月も前に投稿したものが突然見られ始めることもある。しかも使い道は集客だけじゃありません。

商談のとき「こういう仕事をしています」とタブレットで見せる。新しいスタッフが入ったとき、会社の雰囲気を伝える。採用ページに埋め込む。1本の動画が、場面を変えながら何度も働いてくれる。

つい先日のことです。思いがけないことがありました。AME TSUCHIのサイトに掲載していた動画を見て、大手の企業の方からお仕事のご依頼をいただいたんです。直接の営業をしたわけでもなく、誰かに紹介してもらったわけでもない。サイトに置いてあった動画が、いつの間にか「営業マン」として働いていた。

正直、驚きました。と同時に、「動画は置いておくだけで仕事をしてくれる」ということを、自分自身の体験として実感した瞬間でもありました。

だから私は、動画制作は「費用」ではなく「資産への投資」に近いと考えています。

ただし、ここで大事なのは1本2本で判断しないこと

動画を1本出しただけで問い合わせが殺到する、なんてことはまず起きません。でも10本、20本と積み上げていくと、いろんなことが同時に動き始める。

検索で見つかりやすくなる。SNSでの接触回数が増える。信頼感が少しずつ積み重なる。「あ、あの動画の会社だ」と覚えてもらえる。

これらがバラバラではなく、連動して回り始める。即効薬ではなく、じわじわ効いてくるタイプの施策。種を蒔いて、芽が出るのを待てるかどうか。そこが分かれ道だと感じています。

3. 「この人にお願いしたい」は、動画でつくれる

スマートフォン越しに職人の仕事ぶりを見て信頼感を得ている人のイラスト

動画の一番の強みは、情報量ではなくて「人となり」が伝わることだと思っています。

声のトーン、表情、話し方、現場の空気感。文字や写真だけでは伝えきれないものが、動画にはある。

たとえば工務店さんなら、現場で黙々と作業している姿。お客さんと図面を広げて話している場面。派手な演出じゃなくて、そのままの日常を切り取るだけで、「ちゃんとした会社だな」という安心感が伝わります。

価格や機能だけでは決めきれないとき、最後の決め手になるのは「この人なら信頼できそう」という感覚。動画は、その感覚をつくる力がある。

そしてもうひとつ、続けていると面白い変化が起きます。

「お客さん」と「応援してくれる人」の境界が、だんだん曖昧になっていくんです。

再生回数は関係ない。何万回再生される動画より、100回しか見られなくても「動画を見て来ました」と言ってもらえる方が、事業としてはずっと大きい。

会社の姿勢、仕事への向き合い方、スタッフの人柄。そういう部分に共感してくれた人は、リピーターになるし、知り合いに紹介もしてくれる。

広告費で新規を追い続けるのも大事だけど、この「応援してくれる人が自然に増えていく」仕組みは、特に地方のビジネスと相性がいいと感じています。顔の見える距離感があるからこそ、成立するものだと思います。

4. 「やるかどうか」より「どう続けるか」を考える

動画投稿のスケジュールが書かれたカレンダーとノートが並ぶ継続的な動画運用の計画イメージ

ここまで読んで、「やってみようかな」と思っていただけたなら嬉しいです。

ただ、ひとつだけ。勢いで始めて、3本で止まってしまうケースを何度も見てきました。

大切なのは、続けられる設計にすること

月に何本出すか。誰が企画を考え、誰が撮るか。どのプラットフォームに出すか。ここを最初に決めておくだけで、「次どうしよう」と毎回悩む状態を避けられます。

完璧を目指さなくていい。むしろ少しの生活感や不完全さが、かえって親しみを生むこともあります。

スマホで15秒、自分の仕事場を撮ってみる。それだけで十分な第一歩です。

「続ける」の効果がどんなものか、ひとつ具体的な話をさせてください。

昨年の夏前に、あるクライアントさんのプロモーション動画を制作しました。公開から半年以上が経っていますが、今でもInstagramでいいねが付き、フォロワーも少しずつ増え続けている。別のクライアントさんの動画でも、同じような動きが起きています。

どちらも、投稿した直後にバズったわけではありません。でも「ちゃんと作ったもの」は、時間が経っても見つけてもらえる。SNSのアルゴリズムは、新しいものだけを優遇するわけではなくて、反応の良いコンテンツを繰り返し表示する性質がある。つまり、質の高い動画を積み上げていくこと自体が、長期的な集客装置になっていく。

ショート動画は「流行りもの」ではなく、情報発信の形式として定着しつつあるもの。だからこそ、思いつきで始めるより、仕組みとして経営に組み込んでいく方が、結果的にうまくいくと思っています。

さいごに

春霞に包まれた富士山と地方の町並みの上空をドローンが飛ぶ山梨の早春の風景

3月の山梨は、甲府盆地に春霞がかかり始める季節です。冬の間くっきり見えていた南アルプスの稜線が、少しずつ柔らかくぼやけていく。撮影をしていると、同じ場所でも季節ごとに全く違う表情を見せてくれることに、毎回驚かされます。

地方で制作を続けていて思うのは、こうした風景の中で営まれている仕事には、それだけでコンテンツになる力がある、ということ。特別に演出しなくても、そこにある日常が絵になる。東京のスタジオでは逆立ちしても撮れないものが、目の前に転がっている。

地方は不利、ではないんです。活かし方を知っているかどうかの問題で。

「何から始めればいいか分からない」「うちの場合どうすればいい?」ということでしたら、気軽に声をかけてください。

AME TSUCHIでは、撮影や編集だけでなく「なぜその動画が必要なのか」「撮った後どう使えば成果につながるのか」まで一緒に考えています。制作だけで終わらない、その先まで付き合えるのが自分の強みだと思っているので。

まずは雑談くらいの感覚で、お気軽にどうぞ。

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