2024.06.07
Drone Movie Contest 2024 グランプリと審査員特別賞をW受賞!
AME TSUCHI(あめつち)の大沢が、JUIDAとデジタルハリウッドが主催する「Drone Movie Contest 2024」に応募した2作品が、見事にグランプリと審査員特別賞のダブル受賞を果たしました。 本記事では、受賞作品の詳細や制作の背景について、以下の内容を中心にお伝えします。
- 受賞の喜びと表彰式の様子
- グランプリ作品「天つ神が見た景色」の紹介と評価ポイント
- 審査員特別賞作品「金峰山の霊峰」の紹介と評価ポイント
- 作品制作の裏側にあるストーリー
- AME TSUCHIならではの強み
- 今後の目標と抱負
念願のグランプリ受賞!喜びと感謝の表彰式

この度、JUIDAとデジタルハリウッドが主催する「Drone Movie Contest 2024」に応募した2作品が、見事にグランプリと審査員特別賞を受賞するという栄誉に恵まれました。 Japan Drone 2024の一環として幕張メッセで開催された表彰式の舞台で、心からの喜びと感謝の気持ちを噛みしめることができました。
コンテストでは、ファイナリストに残った皆さんの作品がどれも素晴らしく、誰が受賞してもおかしくないハイレベルな争いとなりました。そんな中で私の作品が選ばれたことは、光栄であると同時に、運が味方してくれたのだと感じています。 しかし、このコンテストを通して、他の参加者の方々の優れた作品に触れ、大きな刺激を受け、多くのことを学ぶ貴重な機会になりました。北海道の雄大な自然を舞台にした映像美や、独創的なアイデアで制作された作品など、どれも感銘を受ける素晴らしい作品ばかりでした。
改めて考えると、今回の受賞は「何を観る人に伝えたいのか」というコンセプトの明確さが評価されたのだと感じています。 グランプリと審査員特別賞を獲得した2作品では、それぞれのテーマに沿ったロケーションを選び、ドローン映像を通してストーリーを印象的に伝えることを心がけました。
ここで、受賞作品の詳細と評価のポイントについてご紹介しましょう。
受賞作品の紹介

グランプリ作品「天つ神が見た景色」
この作品では、日本の神話である”天孫降臨”をテーマに映像を制作しました。天孫降臨とは、天照大御神の命を受けた瓊瓊杵尊が神々のいる高天原から地上である高千穂峰へ降り立ったという神話です。 作品では、ドローンならではの高所から高千穂峰を見下ろすことによって、まるで神々が天孫降臨のさいに見たであろう景色を表現しようと試みました。幻想的な霧が漂う中、朝陽に彩られる大地の風景美しさを映し出しています。日本人の心の拠り所となる神話を、ドローンによる空撮の手法で新たな視点から表現することができたのではないかと自負しています。
審査員特別賞作品「金峰山の霊峰」
日本の修験道の聖地、金峰山の荘厳な景観美をドローンが描き出した1作品。この山は役小角(えんのおづぬ)に代表される古来より修験者の修行の場として、神域とも仰がれる存在感を放っています。
雄大な山容と五丈岩の切り立つ絶壁から射す神々しい光線を、ドローンならではのダイナミックな映像で捉えることに成功しました。自然の偉大さと神秘性がひしひしと伝わる、息をのむような風景美です。
両作品を通して、先人たちが大切にしてきた日本の自然や精神文化への畏敬の念を新しい映像表現で蘇らせました。これまでの日本人の心の拠り所を再発見し、世界に向けても発信したいという思いがあります。
評価されたポイント
受賞作品が高く評価されたのは、”何を観る人に伝えたいのか”というメッセージ性の明確さにあったと思います。

グランプリ作品についての講評で、審査員の田口厚氏(株式会社Dron é motion代表)は「一つひとつの映像表現にも、膨大な時間と工夫が注がれている」と述べられました。確かに、神話の世界観を映し出すため、神話からコンセプトを決め、ロケ地の選定から撮影アングル、編集、ナレーションの言葉に至るまで細部にわたって作り込みを重ねました。こうして作品制作の裏側にある苦労の背景を理解してくださると嬉しくて涙がでます。

一方で金峰山作品に対し、伊藤広大氏(ジオグラムス㈱代表取締役)からは「一度で撮れる景色ではなく、そこに至るまでの執念を感じた。」との高い評価をいただきました。実際、理想の一コマを求め、何度も金峰山を訪れ、最適な条件を伺いながら撮影を重ねました。天候の影響で撮影機会を逃すことも多々ありましたが、ドローンの飛行許可申請から何度もチャレンジを続け、画一的な景色ではない、神々しい光景を映し出すことができました。伊藤氏自身も素晴らしいクリエイターのお一人であり、そんな方から「自分の視点にはなかった金峰山を見れた」と仰っていただき、こちらも涙ものでした。
両作品を通して、日本文化の精神的側面、自然への畏敬の念を伝えることをコンセプトに据えました。講評でも指摘されたように、そのメッセージ性が高く評価された理由なのではないかと考えています。技術的な映像の美しさだけでなく、”伝えたいこと”を大切にしたからこそ、観る方の心に届く作品になれたのだと思います。
作品制作の裏側

場所の選定と撮影許可
受賞作品の制作においては、テーマに沿った適切な場所を選ぶことが何より重要でした。
グランプリ作品では、神話の舞台として霧島の高千穂峰を選びました。日本神話に出てくる高千穂は、天孫降臨の地とされます(霧島の高千穂峰のほかに高千穂峡の説も)。
しかし、国立公園内の撮影には手続きが必要で、様々な場所に問い合わせ、観光庁や森林事務所など各所に問い合わせ、長い時間を費やしながら許可を得る作業が欠かせませんでした。金峰山の作品も同様に市役所、林務環境事務所などに問い合わせして申請、安全対策を重視した飛行計画の提出など事前の準備を重ね現地での撮影が叶いました。
厳しい撮影環境への挑戦

山岳地帯でのドローン撮影は、気象条件の変化に常に注意を払う必要があり、大変厳しい環境でした。
山での撮影では、深夜から登山を始め、一刻も早く山頂に到着して待機しなければなりません。耐えがたい寒さの中、岩陰で夜が明けるのを待ち、少しでも望ましい条件が出たらすぐに飛行機体を上げる準備をしていました。霧が晴れ間を見せても、すぐに靄に覆われてしまうなど、思うような撮影ができない日が続きました。 大げさかもしれませんが、山での撮影は命がけの側面もあります。その分、形になった映像作品には大きな思い入れがあります。
受賞は、そうした過酷な状況を乗り越えた挑戦の賜物だと受け止めています。
AME TSUCHIならではの強み
個人事業主として映像制作に携わる最大の強みは、お客様のニーズにピンポイントで応えられる”フレキシビリティ”の高さにあります。
大手の制作会社では、多くのスタッフや決まった制作フローがあり、お客様の要望一つ一つに機動的に対応するのが難しい面があります。(もちろんそれを否定するわけでなく、大手ならではのメリットもたくさんあります。大事なのはクライアント側の目的に沿った受注体制かどうかがポイントです。)
一方、個人事業主のメリットは、お客様から直接ご要望をお聞きし、その場で最善の方法を一緒に見つけていくことができる点です。ドローン映像のロケ地選定から飛行プラン、編集ディレクションに至るまで、お客様とディスカッションを重ねながら、作品の完成度を高めていくことが可能となります。
また、人件費などの経費が削減できるため、リーズナブルな価格でハイクオリティなサービスを提供することも可能です。
さらに、個人で制作に携われる最大のメリットは、作品に対する強い思い入れを持ち続けられる点にあります。受賞作品の制作を通して、先人への畏敬の念を映像に込めたいという強い想いを貫き通すことができました。大手に勤めていれば、必ずしもそうした個人の想いを尊重し続けることは難しかったかもしれません。
個人事業主として、お客様のニーズに真摯に向き合い、自身の想いも作品に注ぎ込めながら、高い完成度を追求し続けていく。この強みを最大限に発揮していきたいと考えています。
今後の目標と抱負

この度の受賞を契機に、今後はさらなるスキルアップと新しい挑戦を目指していきたいと考えています。
まずはドローン映像制作の技術をさらに磨き上げ、より魅力的な作品を生み出せるよう努力を重ねていく必要があります。天候や環境の変化への対応力、ストーリー性の高い映像構成力、映像編集の高度な技術など、あらゆる側面で自己研鑽を怠らずにいきたいと思います。
そして、日本文化の素晴らしさを映像で発信し続けられるよう、全国各地のロケ地を開拓していきたいと考えています。日本には数多くの神話や伝説、歴史に彩られた地域が存在します。そうした地の魅力を映像化することで、日本の心に訴えかけられればと願っています。
さらには、国内にとどまらず、世界各地への発信も視野に入れています。日本文化の良さを広く海外にも紹介し、国を超えて人々の心に響く作品作りに取り組んでいきたいと考えています。
個人事業主として活動する醍醐味は、自由な発想を映像に注ぎ込める点にあります。あくなき探究心を忘れずに、作品を通して感動を届け続けられるよう、これからも精進を重ねてまいります。多くの皆様のご支援、ご声援をどうぞよろしくお願いいたします。
ドローンの飛行や映像制作などご興味ある方はお気軽に問い合わせページよりお問い合わせください。

Drone Movie Contest 2024でグランプリと審査員特別賞をW受賞。東京カメラ部動画クリエイター2023 10選に選出。国家資格・一等無人航空機操縦士、無人航空従事者1級を保持。デジタルハリウッド「空撮クリエイターコース」特別講師も。ディレクター、デザイナー、フォト・ビデオ・ドローングラファーとして活動。”自分自身が感動した”人の魅力を多角的な視点から追求・発信することをモチベーションに、クリエイティブに向き合う。(Instagram)